データタイプ
アプリケーションのデータモデル中のデータタイプ
ケースを処理するために、PegaPlatform™アプリケーションでは、ケースデータのコレクションである多くの異なるデータタイプが使用されます。 データタイプにより、開発者は一連のフィールドをグループ化して、単一のオブジェクトを表現できます。
たとえば、新しい候補者のプロセスに使うHRアプリケーションには、「New Candidate」ケースタイプがあります。 HRは新しい候補者のプロセスのために、雇用履歴や犯罪歴など、候補者に関する基本情報を収集する必要があります。 氏名、メールアドレス、自宅の住所、電話番号などの一連のフィールドにより、候補者について表現できます。 「Candidate」データタイプを使えば、これらのフィールドをグループ化して候補者を表現できます。 同様に、「New Candidate」ケースタイプには、候補者の雇用履歴と犯罪歴を表現する「Employment History」データタイプおよび「Background Check」データタイプがあります。
アプリケーションのケースタイプとデータタイプのコレクションは、データモデルを全体的に定義します。
データタイプの構造
データタイプは、複数の単一値フィールド、リスト、またはフィールドのグループで構成されます。 フィールドは、データタイプのデータ構造を定義します。 さまざまなフィールドが集合的に単一のオブジェクトを表します。 たとえば、「Candidate」データタイプには、「First Name」、「Last Name」、「Address」、「Email」、「Phone Number」など、30件のフィールドがあります。
データ要素のグループ化に加えて、データタイプでは、より高度なスキルの開発者が作成したビューやその他のルールといったその他のオブジェクトをグループ化できます。
データタイプは他のデータタイプを参照できます。 たとえば、「Candidate」データタイプには、「Address」データタイプで定義されている「Address」フィールドグループを含めることができます。 「Address」フィールドグループには、「Street Name」、「City」、「Postal Code」といったフィールドがあります。
補足: フィールドとフィールドグループの詳細については、「Adding a single-value field to a form」および「Adding a field group to a form」を参照してください。
データタイプは、アプリケーションの任意に使用できるテンプレートです。 たとえば、アプリケーションには、2つのケースタイプで再利用可能な一般的「Account」データタイプが含まれていることがあります。片方は、顧客が銀行口座間で資金を移動できるようにするタイプ、もう片方は、顧客が口座に関連付けられている住所を変更できるようにするタイプ、といったものです。さまざまなケースタイプで適用されるフィールドには 「Account Number」、「Current Balance」、「Next Statement Date」が含まれており、これは「Account」データタイプに保存されます。 各ケースタイプに固有のフィールドは、適切な専用のデータタイプに保存されます。
データタイプの継承
データタイプを作成して、継承を通じて既存のデータタイプからのアセットを再利用できます。 たとえば、「Person」は一般的なデータタイプまたは親データタイプですが、「Customer」や「Call Center Representative (CCR)」はより専門的なデータタイプとなります。 親と子のデータタイプ間の関係を示すには、「Person-Customer」や「Person-CCR」といった「Parent-Child」パターンを使用します。 3つのデータタイプにはすべて、「Name」、「Telephone」、「Email」などの共通フィールドがあります。 「Person」データタイプに共通フィールドを作成すると、「Customer」や「Call Center Representatives」データタイプでフィールドを再利用できます。 「Tax Identification Number」フィールドおよび「Membership Number」フィールドは顧客のみに適用されるので、「Customer」データタイプで定義します。 「Employee ID」フィールドは従業員のみに適用されるため、「Call Center Representative」データタイプでフィールドを定義します。
専用のデータタイプでは、該当するデータタイプのフィールド、そして親データタイプから再利用可能なフィールドすべてを表示できます。 次の画像のスライダーを使用すると、再利用可能なフィールドがある場合とない場合の「Customer」データタイプを表示できます。
データタイプの取得
データタイプは、Pega Platformのシステムオブレコードからローカルに、または外部のシステムオブレコードから取得するできます。 その他、データタイプは、ユーザーまたはケース参加者がアプリケーションのプロセス中に入力あるいは変更したデータで、いずれのシステムオブレコードとも関連付けられていないものも取得できます。
データタイプを取得する方法を決定する際には、次の画像にある質問を検討してください。 質問では、Pega Platformを初めて使用し、アプリケーションをゼロから作成する場合を想定しています。 ホットスポットをクリックすると、各データタイプの取得オプションの例が表示されます。
データタイプのベストプラクティス
可能な限り、「Address-Postal」(郵送先住所)や「Address-Email」( Eメール)といったPega Platformが提供する一般的に使用される標準のデータタイプを使用してください。 アプリケーションに関連するデータタイプを追加することもできます。
データタイプが一部のみニーズを満たしている場合は、そのデータタイプを拡張できます。 たとえば、「Employee」データタイプを作成する場合、既存の「Person」データタイプを拡張して、「Person-Employee」データタイプを作成できます。
適切なデータタイプが存在しない場合は、新しいデータタイプを作成してください。 たとえば、「Airport Codes」データタイプを追加したいけれども、既存のデータタイプを使用または拡張できない場合、Pega Platformで新しいデータタイプを作成します。